シダレ桂は桂の変種で、雄木しか存在しないことから株を増やすため、接ぎ木の技術
を改良して各所に植えられています。
盛岡市郊外の瀧源寺
(りゅうげんじ)のシダレ桂は早池峰山中で発見されたものが元木
となっていますが、文政2年(1819)に本堂の改修工事の際に伐採され3尺(約1m)
幅の板戸等の用材となりました。現存のものは、その伐採根から更新した二代目の木が
成長したものと言われています。
鹿角へは明治27年(1894)頃に荒屋新町石神の斉藤家から八幡平長内の根本家の
屋敷に移植されたのが最初で、ここから株分けされたものが、現在「あんとらあ」北側
に成長した大樹(二本)を仰ぎ見ることができます。
☆盛岡市 瀧源寺のシダレ桂(国指定天然記念物)
現存するシダレ桂は、二年前に本堂(手前)が火災に遭い焼失し
樹木への影響が心配されましたが、樹勢が戻りつつあるように見えます。
樹高:約22メートル
☆長内のシダレ桂(市指定天然記念物)
夜明島川に架かる「あけぼの橋」から全容が見られます。樹高:約19メートル
☆新田町(あんとらあ)のシダレ桂 2本(市指定天然記念物)
校門跡に聳えるシダレ桂 樹高:左約16メートル 右約15メートル
昭和5年花輪高等女学校校舎落成記念として校門に植えられました。
戦後、花輪高等学校となり、昭和44年まで40年間生徒たちを見守って
きました。