鹿角にマタギと愛犬にまつわる哀話がある。「佐多六とシロ」の物語である。
そのあらすじは「昔、
草木の里にマタギ(猟師)がいた。愛犬のシロを連れて奥深い山
にカモシカを追った。ある時、国境を越え三戸領に踏み込んでしまい、その土地の猟師に
とがめられ捕われの身となった。マタギは不覚にも往来自由の巻物を所持していなかった。
代官所で処罰されようとしている主人の危機を察したシロは草木の家に駆け戻り、巻物
をくわえて持ち帰ったが時すでに遅く、佐多六は処刑された後だった。
主人を失ったシロは、三戸城下を見下ろす頂に立ち、毎日毎夜吠え続けたという。以来
そこは
犬吠森と呼ばれるようになったという」
その後、佐多六の妻とシロは葛原に移り住んだが、忠犬ぶりを哀れんだ土地の人々がシロ
を神社に祀り、それが今に残る
老犬神社であるという。
下草木の地に佐多六とシロの碑が建つ(佐多六屋敷跡)
犬吠森頂上直下のブナ・ダケカンバ混交林帯
「犬吠森」頂上(808.7m)から三戸方向を望む(平成26.4.14撮影)
大館市葛原「老犬神社」(例祭日:4月17日)
「犬吠森」へは堅雪となる時期に行くのがベストかと思います。
「老犬神社」の例祭日が4月17日ですので、来年は前日に下草木の佐多六
屋敷跡に建つ佐多六神社に参拝の後犬吠森を踏破し、次の日にシロを祀っ
ている老犬神社を訪れて見たいと思っています。